拝呈・敬白の意味と使い方|式典・案内状にふさわしい挨拶文例

ビジネス挨拶状で使われる「拝呈(はいてい)」と「敬白(けいはく)」。
どちらも改まった印象を与える表現で、式典・案内・報告などの正式文書に使われます。
この記事では、その意味・使い方・文例をわかりやすく解説します。
「拝呈」と「敬白」の意味と読み方
拝呈(はいてい)とは
「つつしんで申し上げます」という意味の頭語です。
「拝啓」よりも改まり、「謹啓」ほどではない丁寧さを持つ、中間的な敬意表現といえます。
つまり、謹啓に次ぐ丁寧さであり、フォーマルながらも親しみを残した印象を与えます。
特に、会社や団体が行う式典・記念行事・報告・案内などで使われます。
敬白(けいはく)とは
「うやうやしく申し上げます」という意味の結語です。
「拝呈」とセットで使うのが原則であり、文面を丁寧に締めくくる働きを持ちます。
同じような語の「謹白」と比べると、やや柔らかく、幅広いビジネスシーンに対応できます。
使う場面と印象
- 式典・祝賀会・記念パーティーなどの案内状
- 竣工・開業・創立などの報告やご案内
- 会社から取引先や関係者に出す正式通知
「拝呈・敬白」は、謹啓・謹白ほど堅くなく、拝啓・敬具より改まった印象です。
フォーマルさと親しみやすさの両立ができる、バランスの良い組み合わせといえます。
他の頭語・結語との違い
| 組み合わせ | フォーマル度 | 使用シーン |
|---|---|---|
| 謹啓 ― 謹白 | ★★★★★(最も丁寧) | 社告・式典・公的文書 |
| 拝呈 ― 敬白 | ★★★★☆(謹啓に次ぐ丁寧さ) | 式典案内・報告書・記念通知 |
| 拝啓 ― 敬具 | ★★★☆☆(一般的なビジネス文) | お礼状・近況報告など |
「拝呈・敬白」は、フォーマルな中にも柔らかさがあり、企業の案内文や通知文に最適です。
書き方の基本
- 文頭に拝呈、末尾に敬白を置く。
- 「時候の挨拶+主文+案内・報告+結び」の構成にする。
- 縦書きの場合は、頭語・結語をそれぞれ1字下げる。
拝呈・敬白を使った文例
例文①|式典のご案内
拝呈 新緑の候 皆さまにはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
さて このたび弊社は創立二十周年を迎えるにあたり、
記念式典を下記の通り執り行うこととなりました。
ご多用のところ誠に恐縮に存じますが、ぜひご臨席賜りますようお願い申し上げます。
まずは略儀ながら書中をもちましてご案内申し上げます。
敬白
例文②|竣工・開業のご報告
拝呈 仲春の候 貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
さて かねてより建設中でございました新工場が、このたび無事竣工いたしました。
これもひとえに皆さまのご支援の賜物と心より感謝申し上げます。
今後とも倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
敬白
例文③|社告・人事のお知らせ
拝呈 初秋の候 貴社ますますご繁栄のこととお喜び申し上げます。
さて 弊社では下記の通り役員人事を決定いたしましたのでご報告申し上げます。
引き続き変わらぬご厚情のほどお願い申し上げます。
敬白
使うときの注意点
- 「拝呈」には「敬白」を対応させる(「敬具」などは不適切)。
- 一般的な手紙・お礼状・近況報告には使わない。
- 「謹啓」「拝啓」と混用しない。
- 本文では敬語を整え、改まった文体を保つ。
よくある質問(Q&A)
Q1. 「拝呈」はどんな意味?
「拝呈」は「つつしんで申し上げます」という意味で、謹啓に次ぐ丁寧さを持つ頭語です。 拝啓より改まり、式典・案内・報告などの正式な文書に使われます。
Q2. 「敬白」と「謹白」の違いは?
どちらも結語ですが、「謹白」は最上級の敬意を示し、官公庁や公式通知などに使われます。 一方「敬白」は拝呈と対になる結語で、丁寧ながらもやや柔らかい印象を与えます。
Q3. 個人の挨拶状にも使える?
はい。式典・報告・開業などの正式な案内状であれば、個人名義でも使用可能です。 ただし親しい間柄の手紙ではやや堅すぎる印象になります。
まとめ
- 「拝呈・敬白」は式典・報告・案内など改まった挨拶状に最適。
- 「謹啓・謹白」より一段柔らかく、格式を保ちながら使いやすい。
- 正しい組み合わせで使うことで、信頼感と上品さを伝えられます。
フォーマルなご案内やお知らせを送る際は、 「拝呈・敬白」を使うことで、丁寧で誠実な印象の挨拶状に仕上がります。




