前略・草々の使い方と例文|ビジネス挨拶状の基本

手紙や挨拶状の書き出しで使われる「前略」と、締めくくりの「草々」。
「拝啓・敬具」よりも簡潔で、急ぎや親しい関係の相手に使う略式表現です。
この記事では「前略・草々」の意味・使い方・例文をわかりやすく紹介します。
「前略」「草々」の意味と使う場面
前略とは
「前文を略します」の意味で、時候の挨拶や相手の安否を尋ねる部分を省略することを表します。
時間のないときや、急ぎで要件を伝えたいときに使われます。
草々とは
手紙の末尾で用いる結語で、「取り急ぎ失礼します」という意味を含みます。
「前略」と対になる結語で、両方をセットで使うのが基本です。
使用シーンの例
- 急ぎの連絡・報告・お礼
- 親しい間柄への略式な挨拶状
- ビジネスでも取引が長く、信頼関係がある相手への簡易な通知
フォーマルな文書(社外向けの正式な案内・社長就任通知など)では使わず、略式の文面に限定します。
「前略・草々」を使った例文
例文①|急ぎの報告
前略 先日お送りいたしました資料の補足説明をお伝えいたします。
同封の追加資料をご確認のうえ、ご不明点がございましたらお知らせください。
取り急ぎご連絡まで。
草々
例文②|お礼の手紙(略式)
前略 先日はお忙しい中ご足労いただき誠にありがとうございました。
短い時間でしたが、有意義なご意見を頂戴し感謝申し上げます。
今後とも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。
草々
例文③|親しい取引先へのお知らせ
前略 ○○展示会の件につきまして、出展の詳細が決まりましたのでご連絡申し上げます。
当日はぜひお立ち寄りくださいますようお願い申し上げます。
取り急ぎご案内まで。
草々
使うときの注意点
- 前略と草々はセットで使う(どちらか一方のみは不自然)
- 時候の挨拶を省く代わりに、すぐに本文に入る構成にする
- フォーマルな文書には使わない(上司・取引先の公式文書など)
- 親しみはあるが、敬意は失わない文体を心がける
よくある疑問Q&A
Q1. 「前略 敬具」は使っていい?
「前略 敬具」は不調和な組み合わせです。
頭語と結語はペアで使うのが原則なので、「前略」には「草々」を合わせましょう。
Q2. 「早々」と「草々」の違いは?
「早々(そうそう)」は“すぐに”という意味で、手紙以外の文面やメールで使います。
一方「草々(そうそう)」は手紙文の結語専用で、用法が異なります。
Q3. 「前略」で始めたら、時候の挨拶は書かない?
はい。前略=挨拶部分を省略するという意味なので、季節の挨拶や相手の安否を尋ねる文は入れません。
まとめ
- 「前略・草々」は略式ながらも丁寧な印象を保てる便利な組み合わせ
- 急ぎや親しい相手への連絡に最適
- 正式なビジネス文書では「拝啓・敬具」や「謹啓・謹白」を使用
略式であっても、相手を思いやる一文を添えることで、丁寧さを失わない挨拶状になります。




