拝啓 敬具の意味と例文|ビジネス挨拶状の基本

ビジネス挨拶状でもっとも広く使われるのが、頭語の「拝啓」と結語の「敬具」です。
この記事では、意味・使う場面・正しい書き方と、すぐ使える文例をわかりやすくまとめました。
「拝啓」「敬具」の意味と使う場面
拝啓とは
相手に対して「つつしんで申し上げます」という敬意を示す頭語です。
最も一般的・汎用的で、取引先や目上の相手に宛てた多くのビジネス文書で使えます。
敬具とは
手紙を丁寧に締める結語です。
拝啓 ― 敬具は対応するペアで、基本として覚えておけば安心です。
使用シーンの例
- 取引開始・近況報告・お礼状・お詫び状など一般的な挨拶状
- 人事異動・就任・移転のご案内など、改まりすぎない正式文
- 案内状・通知文で、略式(前略・草々)にしない場合全般
書き方の基本(形式・レイアウト)
- 冒頭に「拝啓」、末尾に行を改めて「敬具」を置く(縦書きの場合は行末の一字下げ等、レイアウト規則に従う)
- 「拝啓」のあとに季節の挨拶(時候の挨拶)+相手の安否を気遣う文を続ける
- 本文は用件→補足→結びの順に簡潔に
- ビジネス挨拶状では句読点を省く版式も一般的(社内規定に合わせる)
すぐ使える文例
例文①|一般挨拶・取引先向け
拝啓 秋冷の候 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます
まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
敬具
例文②|人事異動のご挨拶
拝啓 爽秋の候 皆様にはますますご健勝のことと拝察申し上げます
私ことこのたび○月○日付で○○支店へ転任いたすこととなりました
在任中はひとかたならぬご厚情を賜り心より御礼申し上げます
今後とも変わらぬご厚誼のほど何卒よろしくお願い申し上げます
敬具
例文③|移転(住所変更)のお知らせ
拝啓 向寒の候 貴社いよいよご隆盛のこととお喜び申し上げます
さてこのたび弊社は業務拡充に伴い下記の通り事務所を移転いたしました
これを機に一層精励いたす所存につき今後ともご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます
まずは略儀ながら書中をもちまして移転のご案内まで申し上げます
敬具
例文④|お礼状(納品・訪問後)
拝啓 菊花の候 ますますご清祥のこととお慶び申し上げます
先日はご多忙の折にもかかわらずご面談の機会を賜り厚く御礼申し上げます
当日のご提案につきましては別紙の通りお見積りを送付申し上げます
ご不明点等ございましたら遠慮なくお申し付けください
敬具
よくある疑問と注意点
Q1. 「拝啓」と「敬具」は必ずペア?
はい。頭語と結語は対応する組み合わせでセットにするのが原則です。拝啓には敬具が対応します。
Q2. より丁寧にしたいときは?
より改まった印象にしたい場合は「謹啓 ― 謹白」の組み合わせを検討します(公式行事・就任通知など)。
Q3. 略式にしたいときは?
至急・親しい相手・短文通知などでは「前略 ― 草々」が一般的です。用途に応じて使い分けましょう。
Q4. 句読点は必要?
ビジネス挨拶状では句読点を打たない体裁がよく用いられますが、社内規定・媒体に合わせて統一してください。
NGになりやすいポイント
- 頭語だけ/結語だけになっている(どちらか欠けると不自然)
- 「拝啓」に「謹白」など不対応の結語を合わせてしまう
- 冒頭の時候の挨拶が季節とかみ合っていない(例:11月に「盛夏の候」など)
- 社名・役職・氏名・住所の表記ゆれや誤字(発送前チェックを推奨)




